Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

のもあたりまえで、立て膝のまま、

「あ! お前さん!」

ぽかんとして見あげる顔の上へ、里好は大あわてにあわてて、手早く脱ぎ捨てた長袢纒をふわりと掛けてしまった。

「あれさ。何をするの」

女は着物の下でもがいたが、里好はそれどころじゃない。顔色を変えて騒いでいる。

「いや、勘弁々々、すまねえが、そいつにこの三尺と手ぬぐい、丸めて押入れへ押し込んでください。わたしは病人だ」

いいながら、はや蒲団を引き出して敷きかける。女はびっくりして立ち上がった。

「あの、どこか、お加減でも――」

「なに、あとでわかる。ただね、わしは病人なのだ。いいかえ、病人だ、病人だ」と頭からすっぽり蒲団をかむって、

「後月から腰が立たねえで寝ているというこころ。誰が来ても会わねえぜ。あんたは女房の役、な、看病やつれを見せてやんな。さ、今にも来る。頼みましたよ」

一息にしゃべって黙りこむ、やがて、低くかすかにうめく声――どうもお手に入ったものだ。

はっとした女。

もしかするとこの人はお役人にでもつけられたのじゃあないかしら?

気がつくと他人事ではない。高麗ねずみのようにきりきり舞いをして、薬罐、水差し、湯呑みなど病床の小道具一式を枕もとへ運んだのちそこらの物を押し入れへ投げ込んで、まずこれでよし――さあいつでも来るがいいよと女が長火鉢の前へ横ずわりに