Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
合点々々をしていた。ふたりのからだが、別れた。女は不服そうにちょっとからだをよじっていたが、やがて、磯五が叱るように何かいうと、やっと別れることを承知したとみえて、白い顔を振り向かせながら、空地の裏の板塀のこわれを抜けて、むこうの横町へ通ずる小路を、いそぎ足に立ち去っていくのが見えた。
磯五は、離れていく女を見返りもしなかった。ちょっとあたりをうかがって、人通りがないと見ると、するりと小松の下の囲いをくぐって往来へ出て来た。磯五の店でも、誰も気がつかなかった。この以前、二人が別れそうなようすを見せだしたときから、お高は、見つからないように天水桶に身をかばって、そっと磯屋の横の路地へ引っ返していた。
だいぶ引っかえしたとき、うしろに磯五の跫音がした。いつものやさしい声だ。
「お高じゃないか。何しにこんなところに出ているのだ」
四
「お前さまをさがしに出たのでございます。後家さまふうのお客さまがお見えになりましたから」
「うむ。おせい様だろう。ちょっと知り人なのだ。気のいい面白い女だよ。大事なおとくいでもあるし、いろいろとまた力になってもくださるのだ。