Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

御挨拶したか」

案のじょう、そらとぼけていった。お高も、そのまま黙って並んで歩いて、おせい様から聞いたことも、いま空地で女役者らしい女と会っていたのを見たことも、いわなかった。いわないほうがいいし、いう必要もないと思った。

狭い横町なので、並んで歩くと、磯五のからだに触れるのだ。いやな気がした。で、立ちどまって磯五を先へやって、二、三歩遅れて行った。磯五が、ちょっと気がかりなように、ふりかえってきいた。

「問屋の用というのが手間取ってな、届いた荷を見におもての土間まで行っていたのだ。だから、こっちをまわって来た。お前、おせい様に、何といって御挨拶をした」

「御心配なさらないでもようございます。何もいいはしません。こちらの親類の女だと申し上げました」

「おせい様何かいったか。あの人は、あたまの調子が変なときがあるのだ。ときどきつまらねえことをいいだすんでね、知らねえ人あびっくりすらあな」

「いいえ。何もおっしゃりませんでした」

「おせい様は商売のことでしょっちゅう見えるのだ。この磯屋の店へも、すこしばかり金を出してもらったことがあるのだが、そのために、自分の店みてえな顔をされるのには往生するよ。