Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme

Aozora Bunko

勿体ないと言わずには居られない。

私に何の取得がある? 親が身の油を絞って獲た金を、私の教育に惜気もなく掛けて呉れたのは、私を天晴れ一人前の男に仕立てたいが為であったろうけれど、私は今眇たる腰弁当で、浮世の片影に潜んでいる。私が生きていたとて、世に寸益もなければ、死んだとて、妻子の外に損を受ける者もない。世間から見れば有っても無くても好い余計な人間だ。財産なり、学問なり、技能なり、何か人より余計に持っている人は、其余計に持っている物を挟んで、傲然として空嘯いていても、人は皆其足下に平伏する。私のように何も無い者は、生活に疲れて路傍に倒れて居ても、誰一人振向いて見ても呉れない。皆素通して々と行って了う。偶立止る者が有るかと思えば、熟ら視て、金持なら、うう、貧乏人だと云う、学者なら、うう、無学な奴だと云う、詩人なら、うう、俗物だと云う、而して々と行って了う。平生尤も親しらしい面をして親友とか何とか云っている人達でも、斯うなると寄って集って、手ン手ンに腹散々私の欠点を算え立てて、それで君は斯うなったんだ、自業自得だ、諦め玉え々々と三度回向して、彼方向いて々と行って了う。