Japanische Klassiker mit Furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme
お糸さんは奉公人でないから雑巾掛には関係しなかったが、掃除だけは手伝っていたので、いつも其時分になると、お掃除致しましょうと言っては私の部屋へ来る。私は内々其を心待にしていて、来ると急いで部屋を出て椽側を彷徨く。彷徨きながら、見ぬ振をして横目でチョイチョイ見ていると、お糸さんが赤い襷に白地の手拭を姉様冠りという甲斐々々しい出立で、私の机や本箱へパタパタと払塵を掛けている。其を此方から見て居ると、お糸さんが何だか斯う私の何かのような気がして、嬉しくなって、斯うした処も悪くないなと思う。
ところが、お糸さんが三味線を弾いた翌朝の事であった。万事が常よりも不手廻りで、掃除にもいつも来るお糸さんが来ないで、小女が代りに来たから、私は不平に思って、如何したのだと詰るようにいうと、今日はお竹どんが病気で寝ているので、受持なんぞの事を言っていられないのだと云う。其なら仕方が無いようなものだけれど、小女のは掃除するのじゃなくて、埃をほだてて行くのだから、私が叱り付けてやったら、小女は何だか沸々言って出て行った。
暫くして用を達しに行こうと思って、ヒョイと私が部屋を出ると、何時来たのか、お糸さんがツイ其処で、着物の裾をクルッと捲った下から、華美な長襦袢だか腰巻だかを出し掛けて、倒さになって切々と雑巾掛けをしていた。