Japanische Klassiker mit Furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme
勘ちゃんと云って、私より二ツ三ツ年上で、獅子ッ鼻の、色の真黒けな児だったが、斯ういうのに限って乱暴だ。親仁は郵便局の配達か何かで、大酒呑で、阿母はお引摺と来ているから、常も鍵裂だらけの着物を着て、踵の切れた冷飯草履を突掛け、片手に貧乏徳利を提げ、子供の癖に尾籠な流行歌を大声に唱いながら、飛んだり、跳ねたり、曲駈というのを遣り遣り使に行く。始終使にばかり行っても居なかったろうが、私は勘ちゃんの事を憶出すと、何故だか常も其使に行く姿を想出す。
勘ちゃんは家では何も貰えぬから、人が何か持ってさえいれば、屹度欲しがって、卒直にお呉ンなと云う。機嫌好く遣れば好し、厭だと頭振を振ると、顋を突出して、好いよ好いよと云う。薄気味悪くなって遣ろうとするが、最う受取らない。好いよ、呉れないと云ったね、好いよと、其許りを反覆して行って了う。何となく気になるが、子供の事だ、遊びに耋けて忘れていると、何時の間にか勘ちゃんが、使の帰りに何処かで蛇の死んだのを拾って来て、窃と背後から忍び寄て、卒然ピシャリと叩き付ける。ワッと泣き声揚げて此方は逃出す、其後姿を勘ちゃんは白眼で見送って、「様ア見やがれ!」