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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme

Aozora Bunko

其癖初めを言えば、欲しくて貰った犬ではない、止むことを得ず……いや、矢張あれが天から授かったと云うのかも知れぬ。

忘れもせぬ、祖母の亡なった翌々年の、春雨のしとしとと降る薄ら寒い或夜の事であった。宵惑の私は例の通り宵の口から寝て了って、いつ両親は寝に就いた事やら、一向知らなかったが、ふと目を覚すと、有明が枕元を朦朧と照して、四辺は微暗く寂然としている中で、耳元近くに妙な音がする。ゴウというかとすれば、スウと、或は高く或は低く、単調ながら拍子を取って、宛然大鋸で大丸太を挽割るような音だ。何だろうと思って耳を澄していると、時々其音が自分と自分の単調にいたように、忽ちガアと慣れた調子を破り、凄じい、障子の紙の共鳴りのする程の音を立てて、勢込んで何処へか行きそうにして、忽ち物に行当ったように、礑と止む。と、しばらく闃寂となる――その側から、直ぐ又穏かにスウスウという音が遠方に聞え出して、其が次第に近くなり、荒くなり、又耳元で根気よくゴウ、スウ、ゴウ、スウと鳴る。

私は夜中に滅多に目を覚した事が無いから、初は甚く吃驚したが、能く研究して見ると、なに、父の鼾なので、漸と安心して、其儘再び眠ろうとしたが、壮なゴウゴウスウスウが耳に附いて中々眠付れない。