Japanische Klassiker mit Furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme
そうすると、今の啼声は矢張ポチだったかも知れぬと、うろうろとする目の前を、土耳其帽を冠った十徳姿の何処かのお祖父さんが通る。何だか深切そうな好いお祖父さんらしいので、此人に聞いたら、偶然とポチの居処を知っていて、教えて呉れるかも知れぬと思って、凝然と其面を視ると、先も振向いて私の面を視て、莞爾して行って了った。
向うから順礼の親子が来る。笈摺も古ぼけて、旅窶れのした風で、白の脚絆も埃に塗れて狐色になっている。母の話で聞くと、順礼という者は行方知れずになった親兄弟や何かを尋ねて、国々を経巡って歩くものだと云う。此人達も其様な事で斯うして歩いているのかも知れぬ、と思うと、私も何だか此仲間へ入って一緒にポチを探して歩きたいような気がして、立止って其の後姿を見送っていると、忽ち背後でガラガラと雷の落懸るような音がしたから、驚いて振向こうとする途端に、トンと突飛されて、私はコロコロと転がった。
「危ねい! 往来の真ン中を彷徨してやがって……」とせいせい息を逸ませながら立止って怒鳴り付けたのは、目の怕い車夫であった。
車には黒い高い帽子を冠って、温かそうな黄ろい襟の附いた外套を被た立派な人が乗っていたが、私が面を顰めて起上るのを尻眼に掛けて、髭の中でニヤリと笑って、