Japanische Klassiker mit Furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme
車屋に極めた賃銭を払おうとしたら、骨を折ったから増を呉れという。余所の車は風を切って飛ぶように走る中を、のそのそと歩いて来たので、些とも骨なんぞ折っちゃいない。田舎者だと思って馬鹿にするなと思ったから、厭だといった。すると、車屋は何だか訳の分らぬ事を隙間もなくベラベラと饒舌り立って、段々大きな声になるから、私は其大きな声に驚いて、到頭言いなり次第の賃銭を払って、東京という処は厭な処だと思った。
車屋との悶着を黙って衝立って視ていた女が、其が済むのを待兼たように、此方へ来いというから、其跟に随いて玄関の次の薄暗い間へ入ると、正面の唐紙を女が此時ばかりは一寸膝を突いてスッと開けて、黙って私の面を視る。私は如何して好いのだか、分らなかったから、
「中へ入っても好いんですか?」
と狼狽して案内の女に応援を乞うた時、唐紙の向うで、勿体ぶった女の声で、
「さあ、此方へ。」
私は急に気が改まって、小腰を屈めて、遠慮勝に中へ入った。と、不意に箪笥や何や角や沢山な奇麗な道具が燦然と眼へ入って、一寸目眩しいような気がする中でも、長火鉢の向うに、三十だか四十だか、其様な悠長な研究をしてる暇はなかったが、何でも私の母よりもグッと若い女の人が、厚い座布団の上にチンと澄している姿を認めたから、狼狽して卒然其処へドサリと膝を突くと、真紅