Japanische Klassiker mit Furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Lesen Sie 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.548 Zeichen · 161 Bildschirme
初は地声の少し大きい位の処から、段々に甲高に競上げて行って、糸のように細くなって、何かを突脱けて、遠い遠い何処かへ消えて行きそうになって、又段々競下って来て、果はパッと拡げたような太い声になって、余念がない。雪江さんが肉声の練習をしているのだ。
三十五
私は其時分吉田松陰崇拝であった。将来の自由党の名士を以って自任しているのなら、グラッドストンかコブデン、ブライトあたりに傾倒すべきだが、何如した機だったか、松陰先生に心酔して了って、書風まで力めて其人に似せ、窃に何回猛士とか僭して喜んでいた迄は罪がないが、困った事には、斯うなると世間に余り偉い人が無くなる。誰を見ても、先ず松陰先生を差向けて見ると、一人として手応のある人物はない。皆一溜りもなく敗亡する。それを松陰先生の後に隠れて見ていると、相手は松陰先生に負るので、私に負るのではないが、何となく私が勝ったような気がして、大臣が何だ、皆門下生じゃないか。自由党の名士だって左程偉くもない。況や学校の先生なんぞは只の学者だ、皆降らない、なぞと鼻息を荒くして、独りで威張っていた。私なぞの理想はいつも人に迷惑を懸ける許りで、一向自分の足になった事がないが、側から見たら嘸苦々しい事であったろう。