Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひらがげんないとりものちょう

平賀源内捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.946 Zeichen · 34 Bildschirme

Aozora Bunko

……死体が入ったのは、今朝の暁六ツ。担ぎ出す少し以前。……なア目ッ吉、痩せていても女の身体は十二、三貫。これだけの重さが増えているのに、四人がそれに気がつかねえというはずはなかろう。……象の脚に入っていた四人が、みな、この事件の同類だという証拠だ」

と、言って、小泉と神田に向い、

「いま言ったような次第で、あっしらは四人をしょっぴいてこれから番所で下温習をいたしますから、旦那方は、どうかお役所でご休憩願います」

伝兵衛は、六人の追廻しにどんな人間がきても象のそばへ近寄らしちゃいけねえと、しっかりと念を押して、目ッ吉と二人で葭簀から出る。

生きていた里春

仙台平の袴に麻上下、黒繻子前帯の御寮人、絽の振袖に錦の帯。織るような人波を押しわけながら、伝兵衛は声をひそめ、

「町会所では言わなかったが、里春は、象の腹の中にいたときには、まだ生きていたんだぜ」

「えッ」

「だってそうだろうじゃないか。どう張抜いたって日本紙に糸瓜。二刻前に殺されたものだとしたら、梨の木坂を降りるまで血が沁み出さねえことはねえはず。これから推すと、里春はお練りがはじまってしばらく経ってから象の中で殺されたんだ」