Japanische Klassiker mit Furigana
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ひらがげんないとりものちょう
平賀源内捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.159 Zeichen · 39 Bildschirme
……ところが、どうしたわけか、昨夜小屋から帰って来ると、たいへんなご機嫌で、滅多にそんなこともしないのに、父親の膳のそばに坐って酌をしたりして、ひとりで浮々していたそうです。……お袋の話じゃ、そわそわ寝返りばかりうち、六ツになるかならぬうちに寝床から跳ね出して、髪を撫でつけたり、帯を締めたり。何をするかと思っているうちに、今度は、梅かなんかの植木鉢を持って物干へ出て行こうとするから、転んで怪我でもしてはいけないと、さんざんに止めたそうですが、どうしても聴き入れない……」
「なるほど、その辺のところだと思っていた。……なあ、伝兵衛、たぶん、これは誘われたんだな。恐らく六ツ頃に物干へ上っている約束でも誰かと出来ていたのだろう。……お前は、娘の部屋を探してみたか」
「いかにも、そういうことはありそうだ。ちょっと行って掻き探して来ますから、暫くここに立っていてください」
「冗談いっちゃいかん。わしは腹が減ったからもう帰る。後は、お前が勝手にやったらよかろう」
「まるで、十八番だね。何か言やア、帰る帰る……」
たいして変え栄えもない顔を、生真面目につくって、
「それまで仰言るんならぶちまけますが、今度の三つの件には、先生も相当の関係があるんですぜ。