Japanische Klassiker mit Furigana
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ひらがげんないとりものちょう
平賀源内捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.367 Zeichen · 36 Bildschirme
……その中に陳東海がまじッておッたのですけんが、そン節お種を見染め、手紙に添えて指輪やらビードロの笄簪やら金入緞子やら南京繻子やら、さまざまの物ば一生懸命て送ってまいります。申すまでもなく唐人さんと堅気の娘が会合うことは法度でござりますばッてん、お種も最初のうちは恐ろしかと思い、わたしに隠して一々送り返していたとですが、お種はちっと早熟者のところへ、向うは美しか唐人ですけん、何時の間にかほだされて悪戯ばするようになりました。間もなく船発になり陳は寧波へ帰ってしまいました。お種のつもりではほんの遊びごとのつもりで、それなり忘れてしもうておったとでござりますばッてんが、陳は翌年の夏船でまたもややって来まして、お種と以前の情交になろうとさまざまに辛労する体でござりましたが、そン時はもう利七と婚約が出来ておりましたけんに、お種の方では見返る気もなく、素気素法な返事をしましたので、そるけんで陳は悄々帰って行きました。これで断念るかと思いのほか、また翌年の夏船でやって来て、ひちくどく纏いつきますけん、お種も腹を立て、云分つくる気なら勝手にしなされ、あんたごたるひとはもう愛しかとも何ンとも思っておりまッせん。