Japanische Klassiker mit Furigana
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ひらがげんないとりものちょう
平賀源内捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.367 Zeichen · 36 Bildschirme
それで、お種さんは一体どんな風にして殺されたのですか」
「最初に見つけましたのは古川町の火の番なのでござりますげな。通詞は江戸へ上ってい、留守居もおらぬ筈の闕所屋敷からチラチラと灯が見えますけん、悪漢でも入込んでいるのかと思うて調べに入りますと、お種が脊中に朱房のついた唐匕首を突刺されて俯伏せに倒れております。吃驚して乙名の宅へ馳付け、乙名からわたしどもへ知らせがありましたけん、動顛して駈付けて見ましたれば、お種はまだ虫の息で、あッちを殺したのは陳ですけんで、是非、敵ば取っておくんなしゃい、と申しました。細かしく訊ねますと、陳が江戸へ上る日、お種に申すには、あんたから貰うた手紙がわたしの居間の箪笥の中にひと括にしてあるけん、盂蘭盆の夜の五ツ半頃、みなが焔口供の法会に唐寺へ行った頃を見澄ましてそっと取りに来い、ということで、お種もかねがねそればッかり気に病んでおッたのでしたけんに、約束通り、唐人がみな寺へ上った頃出かけて行って陳の居間へ入り、燭台の蝋燭に火を点して見ると、誰もいないと思った闇の中に、陳が朱房のついた匕首を振上げて物凄い顔で突ッ立っております。