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Japanische Klassiker mit Furigana

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あきばしょから

平野零児随想集 らいちゃん

平野 零児

Lesen Sie 平野零児随想集 らいちゃん (あきばしょから) von 平野 零児 (ひらのれいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.838 Zeichen · 48 Bildschirme

Aozora Bunko

とにかく荷作りをしっかりさせて送って下さい」

私は焼酎の酔いが廻わっていたので、早速その場で知合いの運送屋に電話をかけた。それに満足した池田は、

「尾崎さん、それからもう一人位、誰か有名な……そうだ井伏先生と三人で、福井へ講演にきてくれませんか」といった。

「尾崎君たち流行作家は忙がしいからね」

「今ならツグミの季節です。井伏先生も来て下さるなら、いい魚の釣場にも御案内します。」

彼は尾崎君の外に井伏鱒二君と親しいことを知って、もうその一人に繰り込んでいた。

こんなことで、福井講演旅行にでかけることになった。しかし尾崎、井伏の両大家は、いかに昔は親しい友だちとはいっても、そう簡単には引出せなかった。

「僕の教え子が、美わしい子弟の情から尾崎君の名画を惜気なく与えたのに感謝して、遊びに来てくれというのだから……」

と人情ばなしで口説き落して両君を承諾させた。

ツグミは禁猟でカスミ網の現場の遊びはできなかったが、九頭龍川の生鮭と、越前ガニと小鯛のすし、そして芦原温泉の、べに屋で、踊り大鼓を聞いたり、東尋坊の海女にサザエをとらせたり、両君を満足させた。

だが出発前から両君には講演のことは一言も口に出さなかった。