Japanische Klassiker mit Furigana
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こうふくのとり
幸福の鳥
小川 未明
Lesen Sie 幸福の鳥 (こうふくのとり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.219 Zeichen · 7 Bildschirme
小さいけれどきれいな町だ。女は、北の国で、心細い旅をしているときに受けたご恩を返すために、いろいろていねいにしてくれる。おまえは、その町に住むことになる。山には、黄色に、果物が実っているし、流れのふちにも、野原にも、赤い花が咲いている。おまえはこんないいところはないと思う。生まれてから、はじめて、のびのびとした気持ちで、好きな笛を吹く。ことに、月の清らかな晩に、遠い故郷のことなどを思いながら、笛を吹く。澄んだ音色が、月の光に溶け合って、夢のように、白れんが造りの多い、町の建物の上を流れてゆく。町に住む、男も、女も、みんなおまえを好きになる。そして、おまえは、もう生まれた北国へ帰ろうなどとは思わないだろう……。」と、おじいさんが、いいました。
若者は、腕を組んで、おじいさんの話をだまって聞いていたが、ことごとく感心してしまった。
「ほんとうに、おじいさん、さんごの沓をはいて、青い珠のかんざしをさした女が、この家の前を通るのですか?」
「もう、通るころだが、それは、いつかわからない。おまえが、もし見つけなかったら、幸福は、鳥のように、金色の羽を空に輝かして、かなたへ飛んでいってしまうばかりだ。