Japanische Klassiker mit Furigana
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こうふくのとり
幸福の鳥
小川 未明
Lesen Sie 幸福の鳥 (こうふくのとり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.219 Zeichen · 7 Bildschirme
」と、おじいさんは、答えたのです。
独り者の男は、夜の目も、眠らずに、その女を捕らえようと決心しました。
* * * * *
雪雲が垂れて、いつ降りになるかわからない空の下のぬかるみを、わらじの足音が、ピチャ、ピチャと窓ぎわに近く聞こえるのでした。そのたびに、男は、障子を開いて外をながめた。男の旅人が、下を向いて急ぎがちにゆくのでした。
「ああ、男の旅人か……。」と、彼はいいました。風が寒いから、また障子を閉めて、行火にあたっています。
「ピチャ、ピチャ、……ピチャ……。」
こんどは、足音がすぐ窓の下でしました。かれは、その音がやさしいから……と思って、障子を開けてみると、思いも寄らぬおばあさんが、つえをついてゆくのでした。
こうして、日が暮れてからも、しばらくの間は、足音がしました。そのたびに、かれは見のがしてはならないと、障子を開けて暗い外をのぞいたのです。いつしか、まったく足音も、とだえてしまうと、海の鳴る音が、臼をひいているように、ゴウロ、ゴウロとさびしい雪の野原をころがって、聞こえてきたのです。
「ああ、今日は、女が通らなかった。