Japanische Klassiker mit Furigana
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げんだん
幻談・観画談 他三篇
幸田 露伴
Lesen Sie 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.544 Zeichen · 161 Bildschirme
また行ってくるよ。
と家内に一言して、餌桶と網魚籠とを持って、鍔広の大麦藁帽を引冠り、腰に手拭、懐に手帳、素足に薄くなった薩摩下駄、まだ低くならぬ日の光のきらきらする中を、黄金色に輝く稲田を渡る風に吹かれながら、少し熱いとは感じつつも爽かな気分で歩き出した。
川近くなって、田舎道の辻の或腰掛茶店に立寄った。それは藤の棚の茶店といって、自然に其処にある古い藤の棚、といってさまで大きくもないが、それに店の半分は掩われているので人※(二の字点、1-2-22)にそう呼びならされている茶店である。路行く人や農夫や行商や、野菜の荷を東京へ出した帰りの空車を挽いた男なんどのちょっと休む家で、いわゆる三文菓子が少しに、余り渋くもない茶よりほか何を提供するのでもないが、重宝になっている家なのだ。自分も釣の往復りに立寄って顔馴染になっていたので、岡釣に用いる竿の継竿とはいえ三間半もあって長いのをその度に携えて往復するのは好ましくないから、此家へ頼んで預けて置くことにしてあった。で、今行掛に例の如く此家へ寄って、
やあ、今日は、また来ました。
と挨拶して、裏へ廻って自ら竿を取出して網と共に引担いで来ると、茶店の婆さんは、