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Japanische Klassiker mit Furigana

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げんだん

幻談・観画談 他三篇

幸田 露伴

Lesen Sie 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.544 Zeichen · 161 Bildschirme

Aozora Bunko

おたのしみなさいまし。好いのが出ましたら些御福分けをなすって下さいまし。

と笑って世辞をいってくれた。その言葉を背中に聴かせながら、

ああ、宜いとも。だがまだボク釣師だからね、ハハハ。

と答えてサッサと歩くと、

でもアテにして待ってますよ、ハハハ。

と背後から大きな声で、なかなか調子が好い。世故に慣れているというまででなくても善良の老人は人に好い感じを持たせる、こういわれて悪い気はしない。駄馬にも篠の鞭、という格で、少しは心に勇みを添えられる。勿論未熟者という意味のボク釣師と自ら言ったのは謙遜的で、内心に下手釣師と自ら信じている釣客はないのであるし、自分もこの二日ばかりは不結果だったが、今日は好い結果を得たいと念じていたのである。

場処へ着いた。と見ると、いつも自分の坐るところに小さな児がチャンと坐っていた。汚れた手拭で頬冠りをして、大人のような藍の細かい縞物の筒袖単衣の裙短なのの汚れかえっているのを着て、細い手脚の渋紙色なのを貧相にムキ出して、見すぼらしく蹲んでいるのであった。東京者ではない、田舎の此辺の、しかも余り宜い家でない家の児であるとは一目に思い取られた。