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Japanische Klassiker mit Furigana

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げんだん

幻談・観画談 他三篇

幸田 露伴

Lesen Sie 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.544 Zeichen · 161 Bildschirme

Aozora Bunko

張り、竿はズイと引かれて行きそうになりましたから、客は竿尻を取ってちょいと当てて、直に竿を立てにかかりました。が、こっちの働きは少しも向うへは通じませんで、向うの力ばかりが没義道に強うございました。竿は二本継の、普通の上物でしたが、継手の元際がミチリと小さな音がして、そして糸は敢えなく断れてしまいました。魚が来てカカリへ啣え込んだのか、大芥が持って行ったのか、もとより見ぬ物の正体は分りませんが、吉はまた一つ此処で黒星がついて、しかも竿が駄目になったのを見逃しはしませんで、一層心中は暗くなりました。こういうこともない例ではありませんが、飽までも練れた客で、「後追い小言」などは何も言わずに吉の方を向いて、

「帰れっていうことだよ」と笑いましたのは、一切の事を「もう帰れ」という自然の命令の意味合だと軽く流して終ったのです。「ヘイ」というよりほかはない、吉は素直にカシを抜いて、漕ぎ出しながら、

「あっしの樗蒲一がコケだったんです」と自語的に言って、チョイと片手で自分の頭を打つ真似をして笑った。「ハハハ」「ハハハ」と軽い笑で、双方とも役者が悪くないから味な幕切を見せたのでした。