Japanische Klassiker mit Furigana
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げんだん
幻談・観画談 他三篇
幸田 露伴
Lesen Sie 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.544 Zeichen · 161 Bildschirme
海には遊船はもとより、何の舟も見渡す限り見えないようになっていました。吉はぐいぐいと漕いで行く。余り晩くまでやっていたから、まずい潮になって来た。それを江戸の方に向って漕いで行く。そうして段※(二の字点、1-2-22)やって来ると、陸はもう暗くなって江戸の方遥にチラチラと燈が見えるようになりました。吉は老いても巧いもんで、頻りと身体に調子をのせて漕ぎます。苫は既に取除けてあるし、舟はずんずんと出る。客はすることもないから、しゃんとして、ただぽかんと海面を見ていると、もう海の小波のちらつきも段※(二の字点、1-2-22)と見えなくなって、雨ずった空が初は少し赤味があったが、ぼうっと薄墨になってまいりました。そういう時は空と水が一緒にはならないけれども、空の明るさが海へ溶込むようになって、反射する気味が一つもないようになって来るから、水際が蒼茫と薄暗くて、ただ水際だということが分る位の話、それでも水の上は明るいものです。客はなんにも所在がないから江戸のあの燈は何処の燈だろうなどと、江戸が近くなるにつけて江戸の方を見、それからずいと東の方を見ますと、――今漕いでいるのは少しでも潮が上から押すのですから、澪を外れた、つまり水の抵抗の少い処を漕いでいるのでしたが、澪の方をヒョイッと見るというと、暗いというほどじゃ