Japanische Klassiker mit Furigana
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げんだん
幻談・観画談 他三篇
幸田 露伴
Lesen Sie 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.544 Zeichen · 161 Bildschirme
ないが、よほど濃い鼠色に暮れて来た、その水の中からふっと何か出ました。はてナと思って、そのまま見ているとまた何かがヒョイッと出て、今度は少し時間があってまた引込んでしまいました。葭か蘆のような類のものに見えたが、そんなものなら平らに水を浮いて流れるはずだし、どうしても細い棒のようなものが、妙な調子でもって、ツイと出てはまた引込みます。何の必要があるではないが、合点が行きませぬから、
「吉や、どうもあすこの処に変なものが見えるな」とちょっと声をかけました。客がジッと見ているその眼の行方を見ますと、丁度その時またヒョイッと細いものが出ました。そしてまた引込みました。客はもう幾度も見ましたので、
「どうも釣竿が海の中から出たように思えるが、何だろう。」
「そうでござんすね、どうも釣竿のように見えましたね。」
「しかし釣竿が海の中から出る訳はねえじゃねえか。」
「だが旦那、ただの竹竿が潮の中をころがって行くのとは違った調子があるので、釣竿のように思えるのですネ。」
吉は客の心に幾らでも何かの興味を与えたいと思っていた時ですから、舟を動かしてその変なものが出た方に向ける。