Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいせんのひみつ
幽霊船の秘密
海野 十三
Lesen Sie 幽霊船の秘密 (ゆうれいせんのひみつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.846 Zeichen · 62 Bildschirme
「本船の救難信号は、無電で出したろうね」
「はあ、最後まで正味三分間はありましたろう。その間、頑張って打電しました」
「どこからか応答はなかったかね」
「それが残念にも、一つもないので――」
「こっちの無電は、たしかに電波を出しているのだろうね」
「それは心配ありません。なにしろ打電している時間が短いものですからそれで返事が得られなかったものと思われます」
「ふーむ」
このうえは、救難信号をききつけたどこかの汽船が、一刻もはやくこの地点に助けに来てくれるのをまつより外はない。さっきまでは、こっちが遭難船を助けに急いだのに、今はその逆になって、こっちが助けを呼ぶ身となった。なんという逆転だろう。
「おい古谷局長」しばらくして、船長はふたたび局長をよんだ。
「はあ、ここに居ります」
「さっき本船から無電したとき、本船が魚雷に見舞われたことを打電したかね」
「はあ、それは本社宛の電報に、とりあえず報告しておきました。銚子局を経て、本社へ届くことでしょう」
「そうか。それはよかった」
船長の声が、暗闇の中に消えた。洋上は、すこし風が出てきた。舷から、波がしきりにぱしゃんぱしゃんと、しぶきをあげてとびこむ。