Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いくどめかのさいご

幾度目かの最期

久坂 葉子

Lesen Sie 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.103 Zeichen · 121 Bildschirme

Aozora Bunko

山の麓に私が住い、山の頂に人影は住んでいた。

毎朝、鞄を提げて門を飛び出す私は、紺のひだのスカートをはいており、髪の毛は二つに分って後で編んでいる。女学校は人影の住む山と、谷一つへだてている山の上にあり、そして私は学校へ行くために人影の住む山を半分登り橋をわたらねばならなかった。

単語カードのリングを指にひっかけて、或いは文法を暗記しながら、私は細いうすぐらい道を小川に沿うて登って行く。すると間もなく細い急な石の段の前に出る。右側はある邸の高い高い石塀であり、もう片側は川に面していて、その木のてすりはとうにくさっており、幅一米もないその石段は風のある時など這うようにして上るのだった。私はその細い石段の下でいつも立ち止る。そうして時には十五分も、早い時には五分も待てば上の道をコツコツ歩く音がきこえる。と私は、今やって来た如く無理にハアハア息をしながら一段ずつ石段を上ろうとする。と、すぐ上にかけ降りて来る人影を見出す。人影と私との間は次第にせばめられる。私は体を無理に石塀の方へ押しつけるようにして横になる。でなければ通り交うことは出来ない。

「有難う」