Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いくどめかのさいご

幾度目かの最期

久坂 葉子

Lesen Sie 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.103 Zeichen · 121 Bildschirme

Aozora Bunko

小母さん。辛抱してよんで下さい。

今、正午のサイレンが鳴りました。昨夜っから、十時間ちかく書いているのじゃないかしら。さて、話を、昨夜のところへかえしましょう。いや、まった。今朝、兄に電話をした処、父母に呼ばれたことかきましたね。その時、父は、私が兄の会社をやめることに賛成していることをひどくおこり、わけのわからぬことをしきりにくちばしりました。兄の劣等意識を、とてもなさけなく思っているのです。私は、何故、兄があんな性格になったのか。考えてみる必要があるのじゃないかと云いました。母は、丁度兄をみごもっている時、父が外国へ行っていたため、その怖しさが、兄に影響したのだ、とかおもしろいことを云いました。私は、父に反省してほしかったのです。一中、一高、東大以外は人間の屑だと思いこんでいる父が、父自身きづかないで、兄に対して、ひどくコンプレックスを起させる原因になっていたことを。たとえば、兄の友達で、秀才が居て東大を出たのです。父は、その人が来ると、兄に対するより、もっと、歓びをみせ、兄の知らない、東京の赤門の話を、教授の話を、たのしみながら、喋っているのです。