Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いくどめかのさいご

幾度目かの最期

久坂 葉子

Lesen Sie 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.103 Zeichen · 121 Bildschirme

Aozora Bunko

マネキン あなた自身がよ。

諏訪子 どうして?

マネキン そうじゃないの、太ることを計算にはいれてなかった筈よ。

諏訪子 えっ、えー、そりゃそう。だって、仮縫から仕上げまで一週間よ。一週間で、太ったりちぢんだり、それは勝手すぎてよ。

マネキン 勝手すぎるって何が勝手すぎるの。

諏訪子 望月さんがよ。

マネキン 望月さんが。

諏訪子 いえ、望月さんのウエストが。

マネキン 望月さんのウエストは、一体、意志があって。

諏訪子 意志。

マネキン 意志よ。感情でもいいわ、つまり、そのウエストの寸法に、考えたり感じたりする場所があって。

諏訪子 わからないことを云うのね、一体何のことなの。

マネキン わからない人ね。望月さんのウエストは決して勝手すぎやしないでしょう。

諏訪子 …………

マネキン 勝手だというのは、考えたり感じたりする場所があるとき云えるのよ。ウエストには、ございませんよ。

諏訪子 じゃあ、あなたは一体誰がわるいと云うの。

マネキン 誰が悪いとも云わないわ。唯、誤算があったのよ。

諏訪子 誰に誤算があったの。

マネキン あなたによ。

諏訪子 え、私に。

マネキン そうよ。あなたによ。