Japanische Klassiker mit Furigana
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いくどめかのさいご
幾度目かの最期
久坂 葉子
Lesen Sie 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.392 Zeichen · 64 Bildschirme
一体行く気持の原因はそんなに軽々しく取止めることの出来るものであったのかと。私は、ほとんど話をきいておりません。唯もう鉄路のほとりのことで一ぱいなのです。私は、青白き大佐に、別れる時、私が出した手紙はよまないで下さいと申しました。そして私自身ほっとしたのです。やっぱり私はもう何もかもすててしまうんだと。唯、ひたすらに鉄路のほとりだけを愛するのだと。私は知合いに、逆瀬川にある一室を借りる旨申出ました。私は家を出て独りになって生活しようと考えました。そうして、家庭のことの苦しみに終止符を打てば、仕事だって出来るだろうと思いました。
青白き大佐は手紙をよまぬことを約束してくれました。そしてその翌日、二十五日に会ったのです。彼は封をしてある私の手紙を私の前へ出しました。私はひったくって破り捨てたのです。何が書いてあるのかを青白き大佐は見事にあてました。契約書のこと。そうだと私はこたえました。大佐は、その理由を別に問わなかったのです。私は三時半頃、青白き大佐と別れました。もう会うまいと思っていました。安楽な地帯を求めていた自分のくだらない、いやしい根性を捨てようと思いました。