Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のちのなりひらぶんじ

後の業平文治

三遊亭 円朝

Lesen Sie 後の業平文治 (のちのなりひらぶんじ) von 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.545 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

浪は山岳の如く、舟は天に捲上(まきあ)げられるかと思う間もなく、ごゝゝゝごうと奈落(ならく)の底へ沈むかと怪しまるゝばかり、風はいよ/\烈(はげ)しく、雨さえまじりてザア/\/\ドドドウという音の凄(すさ)まじさ、大抵の者なら気絶するくらいでございます。

文「もう斯(こ)うなったら仕方がない、二人とも確(しっ)かりやれ」

と文治も一生懸命であかを掻出(かきだ)して居ります。烈風ます/\猛(たけ)り狂って、黒雲(くろくも)の彼方(かなた)此方(こなた)は朱(しゅ)をそゝいだようになりました。船頭はこれを赤じまと申します。何方(どっち)が西か東か一向見分けも付かぬくらいで、そこらに船でもあれば、船は微塵(みじん)と砕けるは必定(ひつじょう)、実(げ)に三人の命は風前の燈火(ともしび)の如くであります。流石(さすが)に鉄腸強胆(てっちょうごうたん)な文治も、思わず声を挙げまして、

「不幸なる我が運命、何卒(なにとぞ)敵(かたき)を討つまでは、文治が命をお助けあれ、神々よ武士の一分(いちぶん)立てさせ給え」

もう斯(こ)うなっては何人(なにびと)も神仏を頼むより外(ほか)に道はございませぬ。