Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
Lesen Sie 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.621 Zeichen · 195 Bildschirme
夏枯れで貰いも不足していたというし、遊興の味も覚えたというから、六百五十五円持っているのがフシギかも知れない」
大矢捜査主任はボンヤリと考えこんだ。
話しずきの八雲医師は、相手かまわず、ほかの刑事に向って、
「どうです。そろそろ、容疑者がうかんできたでしょうが。主任の公認だから、教えてくれたまえよ」
話しかけられた刑事が頭をかいて、
「イヤ、あいにくですが、まったく捜査行き詰りです。こんな景気の悪い話をおきかせしたくないんですがネ。新聞の筆法だと、捜査陣、焦燥の色濃し、となりますな」
「私は又、相当クッキリと容疑者が浮んでいるものと思っていましたよ。それをきかせてもらうのをタノシミにやって来たのだが」
八雲医師は、ちょッと意外の顔だった。
巨勢博士がそれを面白そうに、
「八雲先生はどの点から、容疑者がすでにクッキリ浮んでいると御想像でしたか」
「イヤア、素人考えですよ」
八雲医師は高笑いした。
「あなたのような天才的な名探偵に、はずかしくって、何が言ってあげられますかね。もっともね、私の商売は医者だが、マア、催眠薬の問題ネ、あれは何薬を使っていましたか。報告はありませんか」