Japanische Klassiker mit Furigana
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こころのしらべ
心の調べ
宮城 道雄
Lesen Sie 心の調べ (こころのしらべ) von 宮城 道雄 (みやぎみちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.958 Zeichen · 66 Bildschirme
家の者が外出から帰って来たのか、客であるか、弟子であるか、弟子の誰であるか、大抵その足音でわかる。道を歩いていても、それが男であるか女であるかは勿論、その女は美人であるかどうかもやはり足音でわかる。殊に神楽坂などという粋な筋を通っていると、その下駄の音であれは半玉だな、ということまでわかる。それは不思議なくらいよくわかる。ところが、この間道を通る人の靴音をきいて、傍の家人に今のはお巡りさんかと尋ねてみたら、「いいえ女学校生です」とのことであった。この頃の女学生は活発な歩き方をするので、私の耳も判断に迷うことがある。
騒音もまた愉し
それから、ふだんは普通の人には勿論、私どもにさえも聞こえないような電車の音やいろいろな街の雑音が聞こえてくることがしばしばある。それは丁度、海岸で遠い波の音を聞くようにかすかに低いものであるが、それを私どもの耳ははっきりと聞くのである。すると不思議なことに、それから二三日中の間に必ず天気が変わる。つまり私どもの耳は天気予報の役目も務めるわけで、近頃は警視庁なんかでも、騒音ということを非常に喧ましく取締っているようだが、また事実騒音も聞き方によっては非常に癪に障るものであるが、しかし音の世界に生きる私どもは、波の音を聞く感じを以て電車の音を聞く時、街の騒音にもそこに一脈の