Japanische Klassiker mit Furigana
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こころのしらべ
心の調べ
宮城 道雄
Lesen Sie 心の調べ (こころのしらべ) von 宮城 道雄 (みやぎみちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.958 Zeichen · 66 Bildschirme
吉田氏夫妻がいろいろ食糧を運んでくれたりして居心地がよかったので、ついつい一週間を過した。私はこのおかげで身体も整い、耳もよくなって今では病気以前にもまさって元気である。
虫の音
この葉山では五月の頃みんみんに似た声の蝉がなく。その声は何となく弱く聞こえて現世のものではないように感じられる。今年はいつまでも肌寒くて夏の来るのが遅かったように思われた。七月の十三日に初めて夏らしい蝉の声を聞いた。それはヂーと長くひっ張って鳴くのであった。その日の夕方に裏の山からひぐらしの声が聞こえた。その月の二十五日には昼過ぎにもひぐらしが鳴いた。ひぐらしが朝早くから夕方迄ときをつくって幾度もなくようになると私は秋が近いのだと感じる。ひぐらしは一匹がなき始めると他のひぐらしもうつったように鳴き出す。その声が山全体に段々ひろがってゆくように聞こえる。
或る時、私が机にもたれているとすぐ傍の障子の処でひぐらしが二三匹声を揃えて鳴いた。私は考え事をしていたのでおどかされたようにびっくりした。しかしその声の調子や拍子が合っていたので不思議に思った。七月二十九日の朝七時過ぎにみんみんの声を初めて聞いた。