Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
「しんりしけん」じょ
心理試験
小酒井 不木
Lesen Sie 心理試験 (「しんりしけん」じょ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.338 Zeichen · 197 Bildschirme
生命保険がきいてあきれる」
「え? 名前がちがいますか」主婦は驚いてたずねた。
「いや……それで何をきいて行きましたか」
「あなたの故郷だとか、生立ちだとかでした。もとより私は委しいことは知りませんから、何も申しませんでしたが、ただ本籍だけはいつか書いたものを頂きましたので、それを見せてやりました」
「それだけですか、それから何か僕の品行だとか……」
「いいえ別に。何だか話振から察すると、あなたに福運が向いているように思われましたよ」
福運どころか、どえらい不運だ! と、清三は思った。やがて主婦が、食べて貰えなかった膳をもって去るなり、彼は直に床の中にはいったが、案の如く容易に寝つかれなかった。だんだん背中があたたまって来ると、過去の記憶が絵草紙を繰るようにひろげられた。両親に早く死に別れ、たった一人の叔父に育てられたのだが、その叔父と意見があわず、遂にとび出して数百里も隔った土地で暮すようになるまでの、数々の苦しい経験が次々に思い出されて来た。その後叔父とはぱったり消息を絶って、今はその生死をさえ知らぬのだか、今夜はその叔父さえ何となくなつかしくなって、探偵に尾行される位ならば、いっそ叔父のところへ走って行って暫くかくまって貰おうかとさえ思った。