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Japanische Klassiker mit Furigana

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「しんりしけん」じょ

心理試験

小酒井 不木

Lesen Sie 心理試験 (「しんりしけん」じょ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.338 Zeichen · 197 Bildschirme

Aozora Bunko

食べたくないんです」

いつもならば、机に向って円本の一冊を開くのだが、今夜はとてもそんな気になれなかった。急いで床をとって寝ようとすると、主婦は膳をもってあがって来た。

「もうはや、おやすみになりますの、折角拵えたから、少しでもあがって下さい」こういって彼の前に膳を据えた。そうして自分も坐りながら、暫く躊躇してからいった。

「実は今日のおひるからお留守にあなたのことをききに来た人がありますのよ」

清三はぎょッとした。「え? それではもしや鳥打帽をかぶった、色の黒い……」

「ええ、よく御存じで御座いますねえ、実は黙っていてくれとの御話でしたけれど、何だかいいお話のように思えましたので」

「何という名だといいました?」

「名刺を貰いましたよ」こういって主婦は袂から名刺を取り出した。清三が顫える手で受取って見ると「白木又三郎」という名で、隅には「国際生命保険会社」とその番地電話番号が印刷されてあった。

「どこまで探偵というものは狡猾なものだろう。彼は店を出るなりすぐその足で生命保険会社員となってここへさぐりに来たのだ」

こう考えてから、彼は思わず叫んだ。

「馬鹿にしてる。