Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんれいさつじんじけん

心霊殺人事件

坂口 安吾

Lesen Sie 心霊殺人事件 (しんれいさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.557 Zeichen · 52 Bildschirme

Aozora Bunko

すると姉らしい方がクスリと笑って、

「世間の人情はそんなものかも知れませんが、私たちの一族ではバカらしいだけなんです。子供たちを生みッ放しでろくにわが子らしいイタワリも見せてくれたことのない父が、ビルマのアイノコの孫に限ってひきとりたいなぞというのが滑稽なんです。イヤガラセなんでしょう。本心なら狂気の沙汰です。それともビルマのアイノコならライオンか山猫なみに育てるにもお金がかからず、気の向くままに放りだすこともできるからとでも考えているのでしょうか。ともかく私たちにとっては不愉快な出来事なんです」

「失礼ですが、お父様と仰有る方は?」

「高利貸の後閑仙七です。血も涙もないので名高い父ですが、わが子に対してもそうなんですよ」

「すると千石旅館の番頭の一寸法師の辰さんはあなた方の弟さんですか」

「いいえ、兄さんなんです。あれが次兄で、戦死したのが長男なんです。私たち二人は嫁いでますから働く必要もないのですが、一寸法師の兄はあのように旅館の客ひき番頭ですし、末の妹はファッションモデルをやっております」

姉が苦笑して語っているあいだ、妹はおもしろそうに微笑しているのである。