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Japanische Klassiker mit Furigana

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おもいだすこと

思い出すこと

宮本 百合子

Lesen Sie 思い出すこと (おもいだすこと) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.573 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

格子の内に、白い夏服を着、丸顔で髪の黒い一人の外国人が入って来る。

そして、貸家が欲しいと云う。そこに居合わせた、自分等を入れて四五人の人間は、一時に好意ある好奇心を感じた。

指ケ谷辺で、二階のある家、なおよろしい。あまり高いの困ります。と、非常に語尾の強い、ややぼきぼきした言葉で、注文の要件を提出した。

私共に応待した卓子の前にいた男は、立って行って、盲唖学校の近所にあるという一軒の家をサジェストした。

「場所は分りますか? 電車分りますか?」

「分ります。私行ったこと、よくありますから。――然し、いやなことありますまいね」

「何です?」

男は、何方かといえば子供らしい、きかん気の子供らしいその外国人の顔を見下しながら、敷居の上から薄笑いした。

私共も、思わず微笑した。併し、何処の人だか、見分けがつかなかった。

「あちら、こちら……ない家歩いて、金沢山取ることありませんか?」

「大丈夫ですよ、そんなこと!」

男は、辛辣な質問に驚いたように見えた。この外国人が日本に来、こんな質問をするような経験を多くしているのかと思ったら、自分はひどく不愉快になった。

「大丈夫です、信じなさい。