Japanische Klassiker mit Furigana
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せいかくひはんのもんだい
性格批判の問題
豊島 与志雄
Lesen Sie 性格批判の問題 (せいかくひはんのもんだい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.808 Zeichen · 16 Bildschirme
もっと全的な批判、云わば、魚を網で掬いあげるようなものである。然し掬いあげた魚を、盤台の上に置き並べると、見ているうちに死んでしまう。
無批判ということは、芸術の上では、之を字義通りに解釈すると、大変な誤りに陥る。吾国の自然主義小説がいつしか身辺雑記的な心境小説に堕していったことに於て、吾々はこの誤りを経験した筈である。私見私情を去り、善悪美醜を超越して、対象の真を掴むということは、写真機になるという意味ではなかった。真は批判の規準であって、善悪美醜を超越して無私無我の境地に身を置くことは、その批判的態度であった。美が批判の規準となるように、真も批判の規準となり得る。そして美が時代と共に変化するように、真も時代と共に変化する。ただ、批判がなくなる時に、美も真も死滅する。芸術上の無批判が相対的態度に過ぎないことは、実践上の無主義が相対的態度に過ぎないのと同様である。無批判ということを絶対的に解釈すれば、自然主義文学は訳の分らないものとなる。
こう云ってくると、批判の意味がはっきりするだろう。人間に対するこういう批判から、プラスの性格が生れてくる。そしてなお極端に云えば、文学のなかには、労働者よりももっと労働者らしい労働者、会社員よりももっと会社員らしい会社員、狂人よりももっと狂人らしい狂人……などが現われ