Japanische Klassiker mit Furigana
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せいかくひはんのもんだい
性格批判の問題
豊島 与志雄
Lesen Sie 性格批判の問題 (せいかくひはんのもんだい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.808 Zeichen · 16 Bildschirme
なお云えば、マイナスの性格の過多が目についた。
マイナスの性格というのは、プラスの性格に対する言葉である。はっきり極端に云えば、労働者よりも労働者らしくない労働者、会社員よりも会社員らしくない会社員、狂人よりも狂人らしくない狂人で、要するに誰でもよい人物なのである。茲で典型と類型とが問題になりそうだが、典型とはある種の人々にあてはめ得る個性であり、類型とは個性を失った通性であるという、普通の解釈に従っておいて差支えない。その典型は固より、類型さえも甚だ稀薄な、マイナスの性格が如何に多いことか。
作者は必ずしも、性格を描かなくてもよろしい。人物性格をぬきにした作品にも、他の存在の理由はある。けれども、マイナスの性格にばかり数多く出逢う時、所謂文学の貧困を歎かずにはいられない。
例えば、藤沢桓夫氏の「新らしい夜」を読んで、一種の淋しさを感ずる。左翼運動に身を投じてる伸吉という青年と、その運動にはいってゆく規子というブールジョア娘とのことが、そしてその恋愛が書かれているけれども、その伸吉や規子がどういう人物だか、読み終っても少しも分らない。或る青年男女がこういう行動をしたというだけで、「われわれは絶えず前進しなければならぬ。