Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かいきじんぞうとう

怪奇人造島

寺島 柾史

Lesen Sie 怪奇人造島 (かいきじんぞうとう) von 寺島 柾史 (てらしままさし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.159 Zeichen · 87 Bildschirme

Aozora Bunko

「勿論さ。瓦斯の代りに、冷凍室で使う圧搾空気を入れたらいい」

「ああ、そうだ圧搾空気をつくろう」

僕は、悦しげに叫んだ。

烈しい風が吹いていた。風船を空に浮べるに絶好の日だ。

陳君は、この日朝から汽罐を焚いた。蒸気が機関のパイプに充満すると、動力をはたらかして、圧搾空気をつくった。それを甲板まで導いて、麻布の風船の中へ充填した。

天佑か、奇蹟か、大きな麻袋は、大きくふくらみ、空へ飛翔せんとて暴れ廻る。その口を固く結んで、縄を船橋の柱へ縛りつけた。

「おい、はやく、ハンモックへ乗りたまえ」

老博士は、僕等を促した。

「博士は?」僕は訊ねると、彼は叱りつけるように、

「この、不完全な風船に、われわれが乗れやしないじゃないか」

「でも、僕等だけ……」

「何を云うのか、おまえたちは、前途有為な少年じゃ。この魔の海を脱れなければならないが、われわれ老人は、もう任務が終ったので、この幽霊船と運命を倶にするのじゃ」

「そうだ。君たち少年だけで、大空へ脱れたまえ。わしと、博士とは、従容して、君たちを送るよ」怪老人も、僕等を促す。

「それはいけません。僕等は、あなた方を見殺には出来ません」