Japanische Klassiker mit Furigana
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ハムレット
怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット
久生 十蘭
Lesen Sie 怪奇探偵小説傑作選3 久生十蘭集 ハムレット (ハムレット) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.034 Zeichen · 142 Bildschirme
「阪井が……それは、どんな時」
「小松のハムレットが幕といっしょによろけるすこし前」
「そして、いつ出てきた」
「ほんの五分ぐらいの間のことだ。レーヤーチーズが幕のうしろへ入る前にもう戻っていた。君は知らなかったの」
「知らなかった」
阪井のクローデアス王の王座は独白をひきたてる関係で客席に近い前舞台の端にあり、そのとなり、つまり舞台に向って斜右に王妃の座があり、それから舞台の奥へ向ってわれわれが三列に並んで決闘を見物している。王のほうへふりむいたりすることもなかったので、阪井が幕のうしろへ入ったことはわれわれは一人も知りませんでした。
阪井が幕のうしろへ水でも飲みに入ったのかとも考えられますが、小松が幕の中へよろけこむ一瞬前、ショックでも受けたようにぎくっと頭をのめらせたことを思いあわせ、なにかみょうな気がしないでもありませんでした。しかしいまおはなししましたように、正面奥の壁は腰板がそのままむきだしになっているので、舞台を露骨に横切る以外に上手へ行けるわけはないから、阪井が下手の幕のうしろに入ったということが上手にいた小松の墜落に関係があろうとはかんがえられませんが、そのころ阪井はいつもにやにやと薄笑いをし、なんともいえぬ底気味の悪いところがあって、阪井と話をしていると、ときどきなんの理由もなく、ぞっと戦慄