Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おそろしきつや
恐しき通夜
海野 十三
Lesen Sie 恐しき通夜 (おそろしきつや) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.092 Zeichen · 30 Bildschirme
笑うと、ちょいと開いた唇の間から、真白な糸切り歯がニッと出てくるのが、また何とも云えない程可愛らしく見えた。そのAさんという少女に、二人が同時に惚れこんだのも、全く無理のないことだった。しかしお互に、相手の気持を知ると、二人は二十幾年の友情も、プッツリ忘れてしまった。彼等は、表面は何喰わぬ顔で勤務をしていながら、内心では蛇と狼とのように睨み合っていたのだ。彼等は悪竦な手段で、お互を陥れ合った。自分の血で、相手の骨を洗った。
その結果、Aという女は、遂に竹花中尉の方へ傾いてゆき結納までとりかわされ、この演習が済むと、直ちに水交社で婚礼が挙げられることにまで、事がきまっていたのだった。あわれ、恋に敗れた熊内中尉は、悪魔におのが良心を啄むに委せた。そこで中尉の恐ろしい復讐が計画されたのだった。
『竹花にあの女を与えてなるものか。また、自分を此処まで引張りまわした女に、素直に幸福を与えてなるものか』そういって熊内中尉は歯を喰いしばったのだった。『ようし、見て居れ、竹花のやつを、地獄へひきずりこんでやるんだ。やつが、おれの計画に感付いたとき、どんな泣きッ面をするか。