Japanische Klassiker mit Furigana
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おそろしきつや
恐しき通夜
海野 十三
Lesen Sie 恐しき通夜 (おそろしきつや) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.092 Zeichen · 30 Bildschirme
『青軍の危急を救うべく、敵前に於て危険きわまる低空の急旋転を行いたるところ、折柄洋上には密雲のために陽光暗く、加うるに霧やや濃く、僚機との連絡至難となり、遂に空中衝突を惹起せるものなり』てなことを云ったので、不可抗力の椿事として、両中尉は戦死と同格の栄誉を担ったわけだった。だが此処に話がある!
儂は僚友のために、実は偽りの報告をしたのだった。事実はこうだった、いいかね。あのとき、洋上を飛翔していた儂は、いつの間にやら僚機から遠く離れてしまっているのに気がついたのだった。吃驚して後を見ると、遙か下の空で、二機はしきりに横転をやっているじゃないか。これは無論、儂の指令じゃない。なにか故障を起したのかなとも考えたので、儂は方向舵を静かに廻しながら、尚も注意していると、どうも故障とは様子がちがう。一機が他の一機を執拗に追いかけているようなのだ。一機が、思いきった逆宙返りをうって遁れると、他の一機も更に鮮かな宙返りをうって迫り、機翼と機翼とがスレスレになるのだった。儂は、この追駆けごっこが、冗談ではないことに直ぐ気がついた。このまま抛って置けば、二人とも死ぬ。