Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あくにんのむすめ

悪人の娘

野村 胡堂

Lesen Sie 悪人の娘 (あくにんのむすめ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.405 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

それに、駒形には娘名義の別荘があって、百万円入のトランクを一時そこへ匿して置いた事もわかって居りますから、駒形を中心に、吾妻橋から両国の間に居るに相違ないと睨んだわけです。

警戒は厳重を極めて居ますし、顔も知れ渡って居ますから、身一つなら知らず、あれだけの大トランクを持って、ノコノコ歩かれるものではありません。それに権堂の身になれば、命に代えても、あの大トランクは離されないのです。

私は無頼漢に姿を変えて、あの辺を警戒して居ると、すぐ乞食姿に身をやつした権堂を見付けましたが、困った事に、百万円入の大トランクを、何処に隠して居るか容易にわかりません。あんな大きい拐帯犯人は、身体ばかり捕えるのはウソで、知らぬ存ぜぬでおっ通した上、何年か後、刑をすませてから、そっと隠して置いた大金を取り出して、費わないものでもありません。そんな例は、これまでも数え切れない程沢山あるのです。

で、暫らくは、知って知らぬ顔で、権堂の身体を放し飼いに、トランクの在所を探して居りました。

貴方が権堂から貰った百円札を横合から出て捲き上げたのは、貴方に万一の間違をさせまい為の私の老婆心でした。