Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あくにんのむすめ

悪人の娘

野村 胡堂

Lesen Sie 悪人の娘 (あくにんのむすめ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.405 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

そうで無いまでも、手が廻ったと知ったら、百万円入のトランクを、自棄半分川へ投げこまないものでもありません。突嗟に思案を定めて、川蒸気の屋根から橋の下へ飛付いたのはそうしたわけです。

何にしても、百万円入のトランクを無事に手に入れたのは幸せでした。あれで、権堂に騙されて、虎の子を捲き上げられた数十万の預金者達も、少しは潤おうことになるでしょう、それに比べると、権堂を捕えたのは、ホンの景物です、捕えようと思えば、もう十日も前に捕えられたんですから……。

併し土岐子とか言うあの娘は感心ですね、あの心掛に愛でて、私の報告書がどんなに緩和されたことでしょう? あんな悪党に、あんな立派な娘が生れるというのも、神様の深い思召でしょう。さすがの権堂も、娘の美しい心掛に我を折って、近頃は未決監ですっかり改心して居るということです。出来ることなら、あの娘を世話して上げて下さい、貯金魔の娘というので、世間では相手にしないでしょうが、貴方だけは、あの娘の人並優れた美しい心栄えを御存じの筈です。……エ? もう世話をして入らっしゃるんですか、それは気が早い、花房一郎も、その道へかけると一向に鈍感でしてネ、ハッハッハハ」