Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あくまのもんしょう

悪魔の紋章

江戸川 乱歩

Lesen Sie 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.280 Zeichen · 301 Bildschirme

Aozora Bunko

裏口から三つ目の舞台は、例の轢死女の場面であったが、地中に身を潜めた生ける生首は、どこへ逃げ去ったのか、影もなく、その首の生えていた部分に、ポッカリと黒い穴があいていた。

「オイ、あの奥に何だかいるようだぜ」

一人の警官が同僚を顧みて囁いた。指さすのを見ると、そこには例の模造赤煉瓦のトンネルが真黒な口を開いているのだ。

天井から光が射すとは云っても、トンネルの中は真暗だし、その辺一体は、竹藪の茂みになっていて、何となく陰気である。

三人の警官、それに小屋の若者四人、七人の同勢が、手をつながんばかりにして、オズオズと柵を乗り越え、汽車の線路を伝って、転がっている人形の手や足を蹴ちらしながら、トンネルの口に向って近よって行った。

「このトンネルは一間ばかりで行き止りになっているんですから、どこにも逃げ道はありやしませんよ」

若者が警官達に囁く。

やがて、人々はトンネルの前二間程に近づくと、暗い穴の中を覗き込んだ。

トンネルの内部は、すっかり黒い塗料で塗りつぶしてあるのだが、その行き当りの壁の中に、細い二つの目が光っていた。よく見ると、壁と同じ色をした影法師のようなものが、そこに突立っているのだ。