Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あくまのもんしょう

悪魔の紋章

江戸川 乱歩

Lesen Sie 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.280 Zeichen · 301 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、僕は智恵と力の限りを尽したのです。

一思いに殺すなんて、まるで相手を許してやるのも同然です。と云って、耳を削ぎ鼻を削ぐ一寸だめし五分だめしも、その苦しみの時間は知れたものです。それよりも、何が恐ろしいと云って、生きながらの埋葬ほど恐ろしいものはないと思います。無論、それ程の苦しみを与えても、お父さん、お母さん、あの時のあなた方のお苦しみには、やっと匹敵するかしないかです。でも、僕の智恵では、その上の思案も浮びません。どうかこれで思いをおはらし下さい。

ところで、川手、この生きながらの埋葬というものの恐ろしさが、君には想像が出来るかね。真暗な土の中へ入ってしまうのだ。そこで、一日も二日も三日も、空気の不足と餓えと渇きとに責められて生きていなければならないのだ。

いくら藻掻いたところで棺桶の蓋は開きやしない。君の指の生爪がはがれて、血まみれになるばかりだ。フフフ……、君はその血をさえ、餓鬼のように貪り啜ることだろうて。

藻掻きに藻掻いて、やっと息が絶えると、待ち構えていた蛆虫が、君の身体中を這い廻って、肉や臓腑を、ムチムチと啖い始めるのだ。……」