Japanische Klassiker mit Furigana
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あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
Lesen Sie 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.280 Zeichen · 301 Bildschirme
中村警部が紹介すると、老婆は博士をえらいお役人とでも思ったのか、オドオドしながら行儀のよいお辞儀をした。
さて、それから宗像博士の面前で、老婆の取調べが始められたが、その結果判明した点を略記すると、老婆は一年程この家に使われていた事、北園竜子は三十九歳だといっていたが、見たところ三十前後と云ってもいい程若々しい美人であったこと、彼女は数年前夫に死別し、子供もなく、両親も兄弟もなく、ひどく淋しい身の上であったこと、少しは貯金もあったらしい様子だが、職業としては生華の師匠をしていたこと、弟子の娘さん達の外に、友達といっては生華の仲間の婦人数名が出入りするだけで、全く孤独な生活をしていたこと、今度の引越しは郷里の三島在へ帰るのだと云っていたが、そこにどんな親戚があるのか、老婆は少しも知らぬこと、引越しを思い立ったのは一週間程前で、それから不要の品を売払ったり、女手ばかりでボツボツ荷造りをしたりして、荷物を送り出したのは、昨日のお昼頃であったこと、運送屋が荷物を運び出してしまうと、老婆は暇を出され、主人を見送るからといっても聞き入れられず、そのまま同じ区内の身寄りの者の所へ立去ったこと(若し北園竜子が犯人とすれば、指を切ったのは、無論その後に違いない)だから、主人の竜子が何時の汽車に乗って、どこへ行ったかは少し