Japanische Klassiker mit Furigana
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あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
Lesen Sie 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.280 Zeichen · 301 Bildschirme
並々の見世物でなくて、大人の二人にも、かなりのスリルを感じさせるのは、謂わば予期しなかった儲けものであった。
手探り足探りで歩く程に、やがて徐々にあたりがほの明るくなって来た。
「また竹藪があるようだね」
如何にも、黒布のトンネルのような通路を出ると、またしても鬱蒼たる竹藪の細道であった。そこをガサガサ云わせながら辿って行く内に、ヒョイと右側を見ると、その竹藪に切れ目があって、幅一間奥行二間ほどの、藪に囲まれた空地があった。その部分だけ薄青い電燈がついているので、ハッキリ見えるのだが、空地の真中に大きな十字架が建っていて、そこに一人の女が大の字にしばりつけられている。青い獄衣のようなものを着て、その胸の部分だけが、前に括り合わされ、両腋から乳の辺まで、肌が現われている。
「磔刑人形ですね」
その十字架の両側には、チョン髷に結った二人の男が、繩の襷をかけて、長い鎗を左右から女の両腋につきつけている。そして、その鋒鋩が女の両の乳の下を、抉っている。それはここに細叙することを憚るほどの、見るものはたちまち吐き気を催すほどの、無残な有様であった。
女の美しい顔は、濃い藍色であった。