Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じょうけい(あき)

情景(秋)

宮本 百合子

Lesen Sie 情景(秋) (じょうけい(あき)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.323 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

秋の景色(十一月初旬)

○曇り日 日曜。ちっとも風がない。

○すっかり黄色くなった梧桐の葉、

○その落葉のひっかかっている槇の木の枝

○きのうの雨でまだしめっぽく黒く見えている庭木の幹。

離れの方から マンドリンとピアノの合奏がきこえて来る。

◎ひどく雨が降っている。

○遠くの方で、屋根越しに松の梢がまばらに大きく左右へはり出した枝を ゆすっているのが雨中に見える。

○柿の木がすっかり葉をおとし、いくつかの熟した実を盛に雨にうたれている。

◎バスにのって戸塚の方へ出たら雨がザーザーふっている。バスの前方のガラスを流れている。

降りる頃には またやんでしまっていた。

◎芝居のかえり。初日で十二時になる(群盗。)アンキーとかいう喫茶。バーの女給。よたもん。

茶色の柔い皮のブラウズ。鼠色のスーとしたズボン。クラバットがわりのマッフラーを襟の間に入れてしまっている。やせぎすの浅黒い顔、きっちりとしてかりこんだ髪。つれの女の子、チェックのアンサンブル(赤、緑、黒的)黒いハンドバッグと手袋とをその男がもってやっている。このよた、ちっとも笑顔をせず。

「あっちへつけときましたから」