Japanische Klassiker mit Furigana
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おしみなくあいはうばう
惜みなく愛は奪う
有島 武郎
Lesen Sie 惜みなく愛は奪う (おしみなくあいはうばう) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.397 Zeichen · 159 Bildschirme
偽善者は何といっても義人からきびしく裁かれるふしだらさを持っている。私はただ偽善者もその心の片隅には人に示すのを敢てしない苦痛を持っているという事を知って貰えばいいのだ。それが私の弁解なのだ。
私もその苦痛は持っていた。人の前に私を私以上に立派に見せようとする虚妄な心は有り余るほど持っていたけれども、そこに埋めることの出来ない苦痛をも全く失ってはいなかった。そして或る時には、烏が鵜の真似をするように、罪人らしく自分の罪を上辷りに人と神との前に披露もした。私は私らしく神を求めた。どれ程完全な罪人の形に於て私はそれをなしたろう。恐らく私は誰の眼からも立派な罪人のように見えたに違いない。私は断食もした、不眠にも陥った、痩せもした。一人の女の肉をも犯さなかった。或る時は神を見出だし得んためには、自分の生命を好んで断つのを意としなかった。
他人眼から見て相当の精進と思われるべき私の生活が幾百日か続いた後、私は或る決心を以て神の懐に飛び入ったと実感のように空想した。弱さの醜さよ。私はこの大事を見事に空想的に実行していた。
そして私は完全にせよ、不完全にせよ、甦生していたろうか。