Japanische Klassiker mit Furigana
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おしみなくあいはうばう
惜みなく愛は奪う
有島 武郎
Lesen Sie 惜みなく愛は奪う (おしみなくあいはうばう) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.397 Zeichen · 159 Bildschirme
恋人の耳にささやかれる言葉はいつでも流暢であるためしがない。心から心に通う為めには、何んという不完全な乗り物に私達は乗らねばならぬのだろう。
のみならず言葉は不従順な僕である。私達は屡※(二の字点、1-2-22)言葉の為めに裏切られる。私達の発した言葉は私達が針ほどの誤謬を犯すや否や、すぐに刃を反えして私達に切ってかかる。私達は自分の言葉故に人の前に高慢となり、卑屈となり、狡智となり、魯鈍となる。
かかる言葉に依頼して私はどうして私自身を誤りなく云い現わすことが出来よう。私は已むを得ず言葉に潜む暗示により多くの頼みをかけなければならない。言葉は私を言い現わしてくれないとしても、その後につつましやかに隠れているあの睿智の独子なる暗示こそは、裏切る事なく私を求める者に伝えてくれるだろう。
暗示こそは人に与えられた子等の中、最も優れた娘の一人だ。然し彼女が慎み深く、穏かで、かつ容易にその面紗を顔からかきのけない為めに、人は屡※(二の字点、1-2-22)この気高く美しい娘の存在を忘れようとする。殊に近代の科学は何の容赦もなく、如何なる場合にも抵抗しない彼女を、幽閉の憂目にさえ遇わせようとした。